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ざらざらしている思い出。

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大学生になって、ひと月ほどが経とうとしていた。

実家は嫌いだった。
だから遠く離れた地で、一人きりで暮らしたかった。
ずいぶんと心は自由になっていた。
実家になんて、一生帰らなくてもいいとさえ思った。

新しい土地で初めて迎える長期連休。
周りの友人は、一人残らずと言っていいほど皆、故郷へと帰っていた。

退屈。
かといって、地元に帰り旧友に会う、というのも面倒だった。

ワンルームのベッドの上で、母からのメールを読む。
「友達と遊ぶ予定もあるでしょうから、無理に帰省しなくていいよ。」

文字を形どるドットまで見えそうなほど、今でもくっきりと覚えている。

そして、思い出す度に心はざわざわと言い、一度丸めて広げた新聞紙のようになるのである。

#エピソード

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最終更新日:2018-03-31 01:03

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